あの日の「はやぶさ」
▶当社提供番組(JAXA全面協力)
▶「ディープな宇宙をつまみぐい スウィング・バイ!」2024年1月~12月までシーズン1,2,3を期間限定配信決定
▶放送中に出てきた専門用語他一覧(番組ブログ)
▶番組ポッドキャスト(各回終了後にお聴きいただけます)
🎥Activity Report mini🎥
「ディープな宇宙をつまみぐい スウィング・バイ!」放送開始!
2015年、2019年に放送されてから4年。いよいよ第3弾放送開始📻
初回放送は10月5日(木)24:00-24:30
詳しくは☟https://t.co/4dbcrVlFno#JAXA研開( @KENKAI_JAXA ) #宇宙つまみぐい pic.twitter.com/FMJtIxQJ8g— JAXA(宇宙航空研究開発機構) (@JAXA_jp) October 5, 2023
8年前に誕生した究極の宇宙番組。前回に続き今回も提供させていただきましたが第3弾も初回からナノブリッジFPGAの話等ディープな内容でした。JAXAの現状を真摯に受け止めた上での決意表明も素晴らしかったです。これからもどうか頑張ってください。https://t.co/eGYYPa9zdy #宇宙つまみぐい #JAXA研開 pic.twitter.com/Alg7na3TVi
— 家庭教師アルファ・ネクサス (@Alpha_Nexus_EI) October 5, 2023
▶当社のホームページでは▶池下章裕氏(▶JAXAのページでもおなじみのスペースCGアートの第一人者)の美しい作品群をご本人に直接お目にかかってご許可をいただいた上で使用させていただいております。 なぜ、小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」のCGアートをモチーフにしているのか。それには理由があります。 ご存知の方も多いと思いますが、「はやぶさ初号機」は2003年5月9日に内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げられ、2005年11月20日と26日に小惑星イトカワにタッチダウンしてサンプル(イトカワのカケラ)を採取、2010年6月13日にオーストラリアのウーメラ砂漠に「はやぶさ」から分離されたカプセルが着陸し、人類史上初めて小惑星から貴重なサンプルを地球に持ち帰りました。これにより太陽系や生命の起源の解明が進み、人類は新たな知見を得ることができました。更に、世界に日本の科学技術力、存在感を示すことができたのも大きな功績です。 カプセルを分離した後の「はやぶさ」は、燃料漏れに起因する燃料不足で軌道を変えることができず、残念ながら大気圏で燃え尽きてしまいましたが(動画▶「はやぶさ」の大気圏突入)、「はやぶさ」はJAXAよりも遥かに大きな予算を持っているNASAの心胆をも寒からしめる数々の世界初記録を成し遂げ、世界中から喝采を浴びました。 また、日本では「はやぶさ」を題材にした▶映画が3本も制作され、他にも▶CG映画やアニメ、関連書籍など数々の作品が世に送り出されました。そして6月13日は正式に▶「はやぶさの日」として制定され、毎年各地でイベントが開催されています。 同時にイトカワのサンプルを地球に持ち帰らなければならない「はやぶさ」には通信途絶、燃料不足、イオンエンジンの不調など数多くの大きな苦難が待ち構えていました。 しかし、それらのトラブルを運用関係者の皆さんは素晴らしいチームワークとお見事!としか言いようのない工夫、そしてとてつもない忍耐力で立て続けに克服し、「はやぶさ」は大偉業を達成したのです。 ちなみに▶満身創痍の「はやぶさ」が大気圏突入の直前に最後の力を振り絞って撮影した地球は、まるで「はやぶさ」の涙で滲んだ眼で見たような画像になり、偶然とは言え当時大きな感動を呼んで映画をはじめとする様々な作品にも取り入れられました。 ところが、有ろう事か「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」の開発予算が当時の政府の事業仕分けなどによって大幅に削減されてしまったのです。これほどの科学的成果をあげたにもかかわらずです。 そもそも「はやぶさ」は工学技術実証機であり、後継機を次の小惑星に向かわせてサンプルリターンさせてこそ日本の宇宙科学が進歩するのです。それを初号機(工学技術実証機)を打ち上げただけで計画を取りやめてしまえば、後継者を育成することさえできなくなってしまいます。それはもはや愚挙としか言いようがなく、技術立国であるはずの日本が世界の笑いものになってしまうところでした。日本に後れを取った米国のNASAは「はやぶさ」、「はやぶさ2」に追いつけ追いこせとばかりに大慌てで▶小惑星探査機オサイリス(オシリス)・レックスを打ち上げ、2023年9月24日に小惑星ベンヌから持ち帰った試料を収めたカプセルが米国ユタ州の砂漠に帰還。今後サンプルの分析が進むでしょう。 この成功の陰には、「はやぶさ2」チームによる「彼らが正確に狙った位置にピンポイントでタッチダウンできる方法」に関するアドバイスがありました。ライバルとは言え科学者同士の友情を感じます。 そのお返しというわけではないでしょうが、今度はオサイリス(オシリス)・レックスチームが最初の論文を発表する際に、事前に「はやぶさ2」チーム側に打診してくれ(決して出し抜こうとせず、日本に敬意を払ってくれたことで)、結果的に両チームが同じ日に論文を発表することができました。何れも日米両国の科学者達のフェアな姿勢を垣間見ることができるエピソードですね。 オサイリス(オシリス)・レックス本体はこのまま拡張ミッションとして小惑星アポフィスに向かい、2029年に到着予定です。また、2021年に打ち上げられた探査機「ルーシー」は6つの小惑星(内5つは木星トロヤ群小惑星)を2033年までに次々と観測する予定です。「はやぶさ」、「はやぶさ2」とは桁違いの巨額な予算をかけて…。 このことについては筆者が下手な千言万語を費やすより、「はやぶさ」のプロジェクトマネージャを務められた▶川口淳一郎氏の▶「はやぶさ後継機に関する予算の状況について(2011年12月当時の見解)」をお読みいただいた方が遥かに説得力があるかと思います。 筆者は「はやぶさ」地球帰還後に開催された文科省主催の「はやぶさ2」をどうすべきかというある会議に参加したことがあるのですが、その時は幸運にも川口淳一郎氏と「はやぶさ2」のミッションマネージャを務められた▶吉川真氏の真後ろの席に座ることができました。 何気に自席から前方を見ると、川口氏が何やら真っ白な紙を取り出され一心不乱に何かをお書きになっています。よく見ると素人目には全く理解不能の図と数式をお書きになっていたのですが、驚いたことに真っ白だった紙はみるみる内に数式という数式で埋め尽くされていきました。「はやぶさ2」或いは新しい探査機の構想を練っていらしたのか。今でも忘れられない光景として目に焼き付いています(あの時いったい何をお書きになっていたのですかとお聞きしておけば良かったなぁと今更のように悔やまれます)。 会議終了後に川口氏と吉川氏とお話をさせていただく機会を得ることができたのですが、一瞬でお二人の誠実さが伝わってきたことを昨日のことのように思い出します。 その川口淳一郎氏は、人々の胸を打つこんなメッセージも残していらっしゃいます。「はやぶさ」が地球に帰還する約2か月前に書かれたものですが、名文などという単純な言葉ではとても言い表せない真の科学者にして優れた人格の持ち主の、溢れんばかりの想いが▶ 「はやぶさ」、そうまでして君は。に綴られています。 他にも「はやぶさ」を通して惑星科学者の▶寺薗淳也氏や科学技術ジャーナリストで「はやぶさ大図鑑」解説者でもある▶松浦晋也氏と出会えたことも貴重な経験となりました。「はやぶさ」が地球に帰還したあの日、JAXA宇宙科学研究所のパブリックビューイング会場でテラキン先生としても有名な寺薗淳也氏とワクワクした気持ちでメールのやり取りをしたことなども懐かしく思い起こされます。 寺薗氏はJAXA「はやぶさ」チームの研究・広報を担当された後、会津大学准教授他を歴任。NHKのサイエンスZEROをはじめテレビ出演も多数ある惑星科学者です。「はやぶさ」公式ドリンクの火付け役でもありますが、あの日にリアルタイムで宇宙と「はやぶさ」への想いを寺薗氏と共有できたことは大変幸運でした。 パブリックビューイングと言えばここでちょっとした手柄話?をご容赦ください。上でご紹介した3本のはやぶさ映画の中にはパブリックビューイング会場(宇宙科学研究所内)に詰めかけた人々が「はやぶさ初号機」の大気圏突入シーン(ライブ中継)を見守る場面があります。しかし、当初そのような企画はありませんでした。そこで大変僭越ながら、それまでに何度かお話したことがあったJAXA広報の心優しき誠実な女性(そこにはにこやかな表情の日本の科学衛星の父にして「はやぶさ」の生みの親とも言える的川泰宣先生もいらっしゃいました)に「なんとかライブ中継を観る方法はないでしょうか」と懇願したところ、下の画像でご紹介する第3会場を急遽設置してくださり、会場の人々の一部ではありましたが、そこで「はやぶさ初号機」の最後の姿を辛うじて見届けることができたのでした。改めて当時の女性担当者とJAXA広報、そして的川先生に感謝です。 ここで簡単に「はやぶさ」、「はやぶさ2」を動かしている基本ソフトであるOS(Operating System)についても触れておきます。「はやぶさ」シリーズを動かしているOSはもちろんWindowsやMac OSではありません。1980年代に日本で開発され、その後米国の圧力や日本側の消去姿勢等もあってマイクロソフト等に結果的に敗れてしまったTRON(The Real-time Operating system Nucleus)をご存知の方も多いかと思います。しかし、TRONはITRON(Industrial TRON)として見事に生き残り、組み込み用OSの中核として日本の多くの家電や自動車(車載用OS)として今も活躍中であり、なんと「はやぶさ」シリーズにもTRON系OS(T-Kernel 2.0やμITRON 3.0等)が使われているのです。NASAはNASAでウインドリバー・システムズのOS等を使っていますが、何れにせよTRONの潜在能力の高さにいち早く気づいた米国、ビッグ・ファイブ(中でもマイクロソフトやグーグル、アップル等)にしてやられた感は否めません。米国は日本の重要な同盟国ですが、宇宙開発分野はもちろんのこと航空機産業やIT分野然り、あらゆる分野でしてやられてきた日本は様々な分野で強くしぶとく、しなやかに今後は独立、屹立していかねばなりません。そのためにも日本の若い皆さんには是非とも頑張って欲しいと願います。 閑話休題。 さて、困難を極めた予算獲得の経緯の続きです。 そんな中、奇跡のようなことが起こります。 この「はやぶさ」の後継機を打ち上げようという科学的にも極めて高い価値のあるプロジェクトを潰そうという愚挙を止め、「はやぶさ2」への夢を繋げたのが、▶子供から大人、お年寄りまでの普通の日本国民でした。一般の国民からの「はやぶさ2」を打ち上げて欲しいというたくさんの声がJAXAや文部科学省、政府を突き動かしたのです。多くの普通の人達の後押しによって「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」は新たな目標である小惑星リュウグウに向かって飛び立つ準備ができたことは本当に素晴らしいことであり、日本の底力を発揮したとも言えます。 誠に僭越ながら当社の代表や社員も足繁く文部科学省やJAXA、「はやぶさ2」を応援してくれそうな総理経験者、閣僚経験者、与野党を問わず国会議員や宇宙飛行士を訪ね歩き、庶民の声を彼らに届けたものです。 そして初号機の失敗を完璧に活かした「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられ、2020年12月6日に小惑星リュウグウの表面や地下から採取した予想を上回る分量のサンプルを地球に持ち帰りました。失敗こそ宝物であるということを「はやぶさ2」は自ら示してくれました。 当社では「はやぶさ」チームの決して諦めない心、忍耐力、チームワーク、失敗に学びさらなる大成功を収めた「はやぶさ2」チームに最大限の敬意を表すると共に、そこから万分の一でも学び、教育の分野にも活かすことができればという思いからホームページのモチーフとして▶「はやぶさ」と「はやぶさ2」のCGアートを使用させていただいている次第です。 ※1 「はやぶさプロジェクト」はその原点である1985年の「小惑星サンプルリターン小研究会」から始まったと言えますが、「はやぶさ」と「はやぶさ2」の大成功の陰に「工学実験衛星ひてん(MUSES-A)」で確立した技術があったことも忘れてはならないと思います。 「ひてん」はMUSES(Mu Space Engineering Spacecraft)シリーズで言えばMUSES-Aであり「はやぶさ」初号機がMUSES-Cと呼ばれたことからもその繋がりがわかります。 「ひてん」は世界初の二重スイングバイとエアロブレーキ技術を確立し、更には1992年に日本が世界で3番目に月に人工物を届けた国になることに貢献したのでした(続いて月周回衛星「かぐや」も2007年に月面に制御落下。この時点でも世界第3位をキープ。その後に中国、インドが月面着陸に成功)。そして日本は世界で5番目に月面着陸を成功させると共に世界初のピンポイント着陸を小型月着陸実証機 SLIMで見事達成しました。▶SLIMの稿参照 こんなエピソードもあります。「ひてん」打ち上げ責任者の上杉邦憲氏は上杉謙信の子孫に当たる方で、同じ上杉家の上杉鷹山の言葉「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」を地で行くような方でした。アポロ計画を主導したあのジョン・F・ケネディ大統領(当時)は上杉鷹山を尊敬しており、やはり「為せば成る…」の精神で人類初の月面到達にチャレンジしたと言われています。 こういった不屈の精神が「はやぶさ計画」にも受け継がれていったのですね。 ※2 2020年12月にリュウグウのサンプルが入ったカプセルを地球に還した「はやぶさ2」は、現在拡張ミッションとして新たな目標天体である小惑星「1998 KY26」に向かっています(燃料が半分程度残っている為)。新たな目標である「1998 KY26」には2031年7月に到着予定ですが、この間「はやぶさ2」は太陽を約11周する為、2027年12月と2028年6月に再び地球のすぐそばを通過します(この地球スイングバイも楽しみです)。 「1998 KY26」の直径は約30メートルほどと予測されており、微小重力しかない上に高速で自転していることからターゲットマーカー(目標天体に予め投下しておく目印)が振り飛ばされる可能性もある為、タッチダウンできるかどうかは未知数です。 しかし、このような小さな小惑星を含む研究は、やがて必ず起きる地球と小惑星の衝突を回避する為の極めて重要な知見を我々人類にもたらしてくれるはずです。1908年のツングースカ大爆発の事例からもわかる通り、小惑星は例え直径が数十メートルであっても地球に壊滅的な影響を与える為、「はやぶさ」、「はやぶさ2」のミッションはその意味でも非常に重要な意味を持つことになります(2013年のチェリャビンスク隕石ですら直径は数メートルから十数メートルに過ぎません)。 このように「はやぶさ」シリーズは人類の歴史に残る快挙を成し遂げましたが、JAXAには他にも ▶H3ロケット(▶当社関連サイト参照)や▶金星探査機「あかつき」、国際宇宙ステーション・ISSの▶日本実験棟「きぼう」、▶宇宙ステーション補給機「こうのとり」、▶イプシロンロケット等々の輝かしい実績がたくさんあり、NASAの▶アルテミス計画への参加も決まっていますし、数年後に打ち上げが予定されている▶月極域探査ミッション(LUPEX)、▶火星衛星探査計画MMX(サンプルリターン)からも目が離せません。 ******************** アルテミス計画への参加に合わせてJAXAは13年ぶりに日本人宇宙飛行士の募集を今秋から開始し、概ね5年毎に募集していくようですが、応募条件の理系出身者が撤廃され大学の学部が問われないなど条件が大幅に緩和されました。 宇宙飛行士候補者募集 特設サイト 応募期間:2021年12月20日正午〜2022年3月4日正午 ▶JAXA【新】宇宙飛行士募集へ Walk on the moon! 月面を目指せる可能性もある大チャンス到来でしたが、その募集も締め切られてしまいました。次回募集にも期待ですが、今回の応募総数はなんと4,127名だったとか(▶2021年度宇宙飛行士候補者の募集結果について)。もしこのページを読まれた方の中に宇宙飛行士にチャレンジされた方がいらしたら、それはもう望外の喜びです。 そして、まずは「JAXA宇宙飛行士候補者(2021~2022年度 募集・選抜)」が決定しました!(2023年2月28日) 宇宙飛行士候補者に選抜された諏訪 理(すわ まこと)さんと米田 あゆ(よねだ あゆ)さんの今後の活躍に期待です。 米国のアルテミス計画を受け、今回残念ながら選に漏れてしまった方やこれから宇宙飛行士を目指す方にはまだまだ複数回のチャンスがあると思いますので、ここで諦めることなくこれからも頑張っていただきたと思います。 米田あゆさんと諏訪理さんが「国際宇宙ステーション(ISS)での活動をはじめ、月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面活動などの様々なミッションへ向けた全ての基礎訓練項目を修了」し、正式に日本の宇宙飛行士に認定されましたね(2024年10月21日付)。 ▶JAXAプレスリリースより ※日本人が月面に立つ日をがくる!想像するだけでワクワクしますね。同時にいつも残念に思うことがあります。 それは今のところ「日本独自の有人宇宙開発計画はない」に等しい状態であることですが、問題はJAXAだけにあるのではなく、政治的な決断が為されていないことも大きな足枷になっていると考えます。 基本的な価値観を同じくする諸国との国際協力は重要ですが、日本はいつまでもそこに安住していてはいけません 子供達の夢と希望のためにも、日本の科学技術力や工業力、経済力の発展のためにも、安全保障や世界の平和のためにも日本政府には正しい決断をして欲しいと願います。 日本の潜在能力を以てすれば、H3ロケット、新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)等の延長線上にその答えは自ずと見つかるはずです。 ******************** 一方で世界の宇宙開発は軍事にも直結しているケースも多い為、潤沢な開発資金を背景に圧倒的にこの分野をリードし続ける米国はもちろん、それを追いかける中国、ヨーロッパ各国(欧州宇宙機関・ESA)、ロシア、インドなどの宇宙進出は目をみはるものがあり、テクノロジーの進歩も日進月歩です。 商業衛星の打ち上げや宇宙旅行ビジネスなど民間による宇宙開発競争にもこれからますます拍車がかかるでしょう。 その一方で特に軍事目的一色にも見える中国の宇宙開発(有人ロケット、宇宙ステーション、月面・火星探査機開発等々)の進歩はとどまるところを知らず、安全保障の観点からも深刻な事態になっています。 加えてAI兵器開発やサイバー攻撃分野での技術革新も人類に暗い影を落としています。 日本は天文学などの理学分野で世界をリードしていますが、NASAの計画に安易に乗るだけではなく独自の有人宇宙開発にも力を入れるべきであると考えます(古人曰ク勝ツテ兜ノ緒ヲ締メヨと)。 日本の子供達にはアジアと世界の平和の為、国際社会で我が国の存在感を示し、人類や生きとし生けるものに貢献する為に、宇宙開発をはじめとするありとあらゆる分野で、今後の日本を背負って活躍して欲しいと心から願っています。 最後にこの▶遊び心のある動画「イトカワをねらえ!」(ニコニコ動画)をご紹介いたします。 この3本の動画は「はやぶさ」が地球に帰還する前に一般の方が制作されたものです。 「はやぶさ」を愛してやまない想いが伝わってくる秀作であり、当時メディアでも紹介されました。科学考証がしっかりしてるだけでなく「はやぶさ」を擬人化しているところがまた秀逸で、観る者の涙をさそいます。 特に▶「第二話」は地球から小惑星イトカワへの往路のことがお子様にもよくわかる内容になっています。アニメ「宇宙戦艦ヤマト」をオマージュしてもいて、少年少女だった頃にヤマト好きだった大人には堪らない作品かもしれません。 ここまで長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 ----------------------- あの日の「はやぶさ」 ▼以下でご紹介する写真は「はやぶさ」初号機が地球に帰還したあの日(2010年6月13日)にJAXA宇宙科学研究所(相模原キャンパス・パブリックビューイング会場他)で撮影されたものです(当社オリジナル画像)。 |
小さな「はやぶさ」の模型の縮尺は小惑星「イトカワ」の
大きさに合せてあるんだって。
ということは、「イトカワ」に比べると「はやぶさ」は
こんなに小さいんだね。
第1会場にもたくさんの人がいたけど、この第2会場も
「はやぶさ」ファンの大人や子供たちですぐにいっぱい
になっちゃったんですよ。
みんな、「はやぶさ」が無事に帰ってくるのを祈るような
気持ちで待っていたと思います。
会場にはこんなコスプレイヤーも登場。 ずいぶん遠くからいらっしゃったみたいですよ。 とても優しい方で、なんだか癒やされました。 こういう熱心なファンに「はやぶさ」は支えられてきたん ですよね。
更に3つめと4つめの会場が設営され、ここでは幸運にもリアルタイム で「はやぶさ」の大気圏突入シーン(スクリーン右下赤枠の左側にある光点)が一般参加者の協力もあって映し出されま
した。JAXA広報の機転に感謝です。
「はやぶさ」の最期の勇姿が映し出された時、そこには大歓声と共に多くの涙がありました。
すべての運用が終了したあと、管制室からメッセージが 会場に届きました。 「ありがとう!! HAYABUSA」 の文字が涙でかすんでよく見えない。 ありがとう、ぼくらの「はやぶさ」。 ありがとう、「はやぶさ」チーム。 ありがとう、日本の底力。